なぜ今、「着付け」でなく「装道」なのでしょうか

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また、「道」とは美を知ることです。

「美しい」という言葉には、本来「いとおしい」「うるわしい」という意味に加えて、「心が立派である」「いさぎよい」などの意味もあり、人間の内面についての言葉なのです。そして、内面性とは心の問題であり、「品性」と深く関わりがあるのです。
では、品性とは何でしょうか。

品性とは人の心のあり方のことで、心の問題に関わる意味が込められています。また、『広辞苑』には、「性格を道徳的価値としてみる場合の呼称」とも書かれています。

昔から日本人は、つねに「品性を高める」ことを大切な課題として生きてきました。

たとえば、きものの柄や色を選ぶときにも、言葉づかいにも、日常の立居振舞についても、つねに品性ということを意識して、日本の美意識を高めてきたのです。それだけに「品性が低い」「品性下劣」といわれることを最大の恥と心得、気配りを怠りませんでした。

品性を重んじた日本人は、女性は女性としての品性、男性は男性としての品性を磨くことに努めてきました。

そして、年齢や職業などに応じて、その人にふさわしい心の高さが形にあらわれた品格、いわゆる「・・・らしさ」を身につけようと心がけてきたのです。

ところが昨今は、きれいに見られたい、若く見せたい、目立ちたいということばかりに気をとられる人が多くなったように思います。こういう人たちは、外見だけの「粉装」にとらわれているといわざるをえません。

「装い」と「着付け」と「装道」を同じと考えたり、これらを混同して使っている人が少なくありませんが、実質はまったく異なります。

「装い」が心、つまり品性を高めようとするのに対して、「着付け」はせいぜい外見のみを意識した「着る」という行為を指す言葉です。「装い」の語源は、「良さを添えて覆う」ことです。

良さとは、きものに込められた「愛と美と礼と和」の美しさの絶対条件であり、自然との調和や現代人が失ってしまった礼の心を引き出す智慧なのです。

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